人工透析

当院では、慢性腎不全に対し、人工透析療法を行っています。

 

当院の人工透析療法の特徴

  • 人工透析療法には、血液透析(HD)腹膜透析(CAPD)という選択がありますが、患者さんの病状や生活スタイルを第一に考え、一緒に相談しながら選択しています。
  • 当院には腎センター(血液透析施設)が併設されているほか、入院設備も整っていますので万が一、体調が優れない時には入院治療も可能です。
  • 送迎が必要な方はお気軽にご相談ください。

慢性腎不全とは?

本来腎臓は、「体内の水分の調節」や「電解質の調節」「老廃物の排泄」などを行っている臓器です。私たちは1日約1.5リットルの尿と一緒にいらなくなった老廃物や水分を体外へ排泄しています。

腎臓の働きが徐々に悪くなり、正常な状態に戻らなくなることを「慢性腎不全」といいます。

「慢性腎不全」になると「透析」を行わなければ生きていくことが難しくなってきます。

「透析」とは働けなくなった腎臓のかわりに「体内の水分の調節」や「電解質の調節」「老廃物の排泄」を行う治療法で、大きく分けて血液透析(HD)腹膜透析(CAPD)という二つの方法があります。

 

→ 血液透析(HD)の良い点・悪い点

→ 腹膜透析(CAPD)の良い点・悪い点

 

慢性腎不全の原因となる病気は「糖尿病」「慢性腎炎」などが挙げられます。

糖尿病の方、検診で腎機能が低下していると指摘された方などは早めの受診と治療の開始をお勧めします。

血液透析(HD)

悪くなった腎臓のかわりに体にたまった老廃物や余分な水分を、透析装置を使って体外へ排泄する治療です。

「シャント」と呼ばれる血管に針を2本刺し、一方から血液を抜いて血液装置に送り込みます。血液装置を通った血液は老廃物や余分な水分のないきれいな血液になります。このきれいな血液をもう一方の針を通じて体内に戻します。1回の透析時間は3〜4時間かかり、これを週2〜3回行います。

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血液透析の良い点

・  病院で透析を受ける治療なので、何かあればすぐに医師に診てもらえ安心です。

・  日本の血液透析は世界一の生存率です。

血液透析の悪い点

・  週2〜3回、医療機関への通院が必要なので社会復帰に拘束があります。

・  毎回腕に針を刺すので痛みを伴います。

・  「シャント」を作る手術が必要です。

「シャント」とは・・血液透析を行うときに使用する血管です。

          一般的には利き腕と反対の腕(手首の近く)に作ります。

          動脈と静脈をつなぎ合わせて血液の流れの多い血管を作り、          

           血液透析に必要な血流量を確保します。

・  短時間で一気に尿毒素や水分を除去するため、血圧低下、筋痙攣、不整脈、動悸などの身体症状が起こることがあります。

・  長期間の旅行に行く場合には、あらかじめ旅行先の透析施設への予約が必要です。

・  水分制限や塩分・カリウムなど食事制限があります。

腹膜透析(CAPD)

悪くなった腎臓のかわりに体にたまった老廃物や余分な水分を、腹膜を介して体外へ排泄する治療です。

透析液を腹腔内に留置したカテーテル(管)からお腹の中に一定時間入れておくことによって、体内の余分な水分や毒素が腹膜の血管を通して透析液内に排泄されます。その後、カテーテルを通じて透析液を体外に排出させます。つまり、腹膜透析の場合には腹膜が人工腎臓の代わりになるのです。

腹膜透析の場合、1日4回程度の透析液の交換が必要になりますが、生活スタイルに合わせて透析液(バック)の交換が可能なので比較的社会復帰が容易になります。

腹膜透析を行う時にはお腹の中(腹腔内)にカテーテルを植え込む手術を行います。

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腹膜透析の良い点

・  血液透析に比べて腎臓の働きが長く保たれます。

・  バック交換は自宅や会社、学校といった医療施設以外で行うことが可能で、通院、透析時間に縛られない生活ができ、社会復帰が容易です。

・  血液透析に比べて食事制限(特にカリウム)が緩やかです。

・  血液透析に比べて血圧の変化が少なく、体への負担が少なく疲労感が少ないです。

・  シャントに穿刺する針の痛みがありません。

・  通院回数は月1〜2回でよいです。

腹膜透析の悪い点

・  カテーテルが腹腔内にあるため、バック交換やカテーテルの出口部の不潔操作を行うと腹膜炎やカテーテル周囲の感染が起こります。

・  1回の透析で腹腔内に透析液を1.5〜2L注入するのでお腹が張る感じや腰痛が起こることがあります。

・  5〜7年経過すると、腹膜の透析膜としての機能が低下します。長期間腹膜透析を行った患者で被嚢性腹膜硬化症が起こることがあります。